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射精障害の症状や原因、ED(勃起不全)との関係性、最善の改善方法を紹介

射精障害とは

射精障害とは「性機能障害のうち、勃起には大きな問題は見られないが正常な射精の行えない症状のこと」をさします。

射精障害という言葉はあまり聞き慣れない言葉だと思いますが、射精が早すぎることが問題である「早漏」やその反対で射精する時間がかかりすぎる「遅漏」という言葉については聞いたことのある人がほとんどだと思います。この2つの症状も射精障害にあてはまります。

1998年、バイアグラの発表により、ED(勃起不全)という言葉が広く一般に浸透しました。EDを恥ずかしいと思う方がいまだに多いのも確かですが、同時にEDは治療薬で治せる疾患に過ぎないのだという認識が一般論となったのも事実です。

対して射精障害はいまだに「よくわからない」という人が多く、そもそも早漏と遅漏の境界線もわからず、そのため治療が可能な疾患か調べたこともないという人が多くいるという現状があります。

射精障害の症状

射精障害の症状は大きく4つにわけられます。そのなかの「射精・性的絶頂はともにあるが射精の到達時間に異常がある早漏」と「射精・性的絶頂ともに遅い、またはない遅漏」に関することについて説明します。

早漏

自分で射精のタイミングがコントロールできない、挿入して約1~2分以内、または挿入前に興奮して射精してしまう、十分な挿入時間が保てず相手を満足させられないといった症状が早漏とされています。

このうち、相手を満足させられないという点は、相手次第の時間になるので個人差のあるものとなります。ある調査では日本人女性の満足を得られる挿入時間は約15分とされる一方、日本人男性の平均射精時間は約6~7分というデータがあることから、日本人男性のほとんどが相対的な早漏であるとも言われています。

性機能障害の実に約30%、射精障害に限ると約70%ほどが早漏であるとされ、このため世界的にも圧倒的に早漏防止の研究のほうが進んでいるといった事実があります。

早漏の原因は大きくわけると「心の原因」「身体の原因」の2つにわけられます。

【心の原因】
「心の原因」はセックスに不慣れな若い男性に多くみられます。また早漏かもしれないという心配から余計に早漏になってしまうといったケースもあります。
ストレスにより自律神経が乱れ交感神経の動きが副交感神経を上回ってしまうと、射精時間が早まる早漏症状のほか、勃起しにくくなるという症状も出ます。ストレスからの早漏で早さを意識し余計早漏になるというマイナスプラシーボ効果に発展する可能性もあります。
心の早漏は射精後落ち込んでしまい、このためセックスに消極的になったり、異性への距離感を取ってしまうなど深刻化してしまうといったケースもあります。

【身体の原因】
「身体の原因」には過敏性早漏衰弱性早漏があります。過敏性早漏は包茎の方に多く起こる症状で、刺激に慣れていない亀頭が過敏に反応し、射精中枢が早く限界を迎えてしまい射精に至ってしまうというものです。
射精はかっけの検査のように、脊髄反射で起こるものです。脳で満足する前に脊髄が信号を送り射精が行われてしまうため、思ったようにコントロールできないことが続くと気持ちが大きく落ち込んでしまう傾向があります。それが自信の喪失に繋がり、ED(勃起不全)を発症することもあります。
衰弱性早漏は年齢を重ねると起こしやすくなる症状です。射精を司る射精管閉鎖筋という筋肉が衰え、弱まることで精液が漏れ出てしまいます。中年層や下半身を使わないデスクワークの方に多くみられる早漏です。
また自慰行為により射精の癖がついてしまうことでも早漏になります。陰茎に刺激を受けることで射精をしなければならないという条件反射が身についてしまい、これも勃起不全の原因になることがわかっています。

膣内射精障害(遅漏)

遅漏は女性にとって早漏よりも問題であるといったデータがあります。それは早漏が男性の自信を失わせる症状であるのに対し、遅漏は「自分に魅力がないのでは?」とパートナーに自信を失わせる症状であることが大きく関係しています。また、挿入時間が長くなることから相手に痛みを与えてしまう可能性もあります。

遅漏は膣内射精障害と言われ、自慰行為で射精ができるものの、性行為では射精に時間がかかったり、射精に至らない症状をさします。

遅漏にはいくつかの原因があります。そのひとつに過度な自慰行為があります。膣圧より強い握力で刺激を強めたり、ひねったりするといった自慰行為をしている場合に膣内ではそこまでの刺激を感じる事ができず、遅漏になってしまうといったことがあります。 この場合は、握力を弱め、一週間自慰行為を禁止したりして対処します。肉体的に疲れていたり、精神的に疲労があれば、その原因を取り除きます。

アルコールは微量であれば精力を強めるというデータもありますが、多量の摂取は脳や感覚機能の低下につながります。また、うつ病の薬を服用すると副作用で遅漏になる場合があります。

また現代特有の原因として、過激なアダルト動画を日常から見慣れてしまうことで、性行為の時に動画以上の興奮が得られず、遅漏になるといったケースも増えています。この場合は過激なアダルト動画を見ないようにすることで改善がみられる場合もあります。

逆行性射精障害

逆行性射精による弊害というと男性不妊症という症状があります。正常なら射精時に閉じている膀胱頸部が開いたままになることで精液が膀胱に逆行し、射出量が減る、または射出がされない障害をさしますが、不妊症以外に害はありません。逆行性射精障害でも性的絶頂は得られます。

性的絶頂を得られた後の尿サンプルに多量の精子が含まれていることで診断することが可能であり、逆行性射精障害患者の約3分の1は薬の服用で治療することができます。

服用時は心拍数の増加や血圧の上昇に注意が必要です。男性不妊症でも精子がある場合は体外受精も可能な時代になったため、射出に関する不快感がなければ特に治療を必要としません。

前立腺手術や糖尿病、一部の医薬品の副作用で起こることがあるほか、早漏を治療する方法のひとつとして行われる射精を寸前で止めるというスクイーズ法の副次的効果で起こってしまうこともあります。

自慰行為への依存

これらの射精障害はいずれも自慰行為を原因として発症する場合があります。自慰行為での刺激は挿入時の刺激とは違うものです。この違いによって射精障害が引き起こされてしまいます。もちろん、自慰行為は正常に射精するための訓練という面があり、精子を排出する意味でも健康面でプラスであると言えます。

ただし、過度な自慰行為や間違った自慰行為は危険です。視覚や感覚に実際の性行為時よりも強い刺激を与えてしまう場合は、膣内射精障害となってしまいます。また、本番での亀頭への刺激を過敏にしてしまうような包茎の包皮の上からの自慰行為などは早漏の原因となります。

この場合、短時間で自慰行為を済ませ射精してしまうのも早漏の原因ですが、包茎でなく短時間で自慰行為を行う場合は、勃起力を維持できず遅漏となってしまうケースも存在します。自慰行為のし過ぎも体内の精子の補充が間に合わなくなり、早漏や遅漏に影響すると言われます。

射精障害とED(勃起不全)

射精障害は性機能障害のひとつですが、EDは勃起障害、または勃起不全という、射精障害とはまったく別の障害です。その定義は「十分な勃起が得られない、維持できないことによる満足な性行為を得られない」状態をさします。

しかし、勃起力が低下することで亀頭や陰茎自体が刺激への耐性に弱くなり、EDが早漏の原因となるケースもあり、事実、EDの患者の約25%が早漏になるというデータがあります。

射精障害と勃起不全のどちらか判断が難しい場合もあり、例えば挿入中の中折れはEDとされることが多くありますが、膣内射精障害が原因であったり、あるいは早漏での逆行性射精障害が原因の場合もあります。

それぞれ原因が違うので、改善方法も異なるため、当然EDである場合は射精障害の治療で改善されることはありません。EDの患者の約25%が早漏、というデータのとおり、EDと早漏の同時治療が必要なケースもあります。

射精障害で起こること

射精障害によって起こることはたくさんあります。身体的な問題はもちろん、精神的な問題、それも自分だけではなくパートナーとの関係にまで影響が及びます。身体的な問題の代表例としては男性不妊症があります。

膣内で射精できない膣内射精障害や、精液が体内に逆流して排出される逆行性射精障害で精液が放出されなくなるので、妊娠できなくなります。また射精障害を気に病むことで他の男性機能障害、主に心因性のED(勃起不全)を発症してしまうケースも多くみられます。

夫婦仲が悪くなる

射精障害は相手があっての障害です。本人だけではなくパートナーにも悩みが及びます。「自分に魅力がない」とストレスを感じ、プライドも大きく傷つきます。これがきっかけとなり、セックスレスを誘発する例は大変多く、夫婦にとっては軽視できない性生活がなくなることで夫婦仲は険悪になり、最終的に離婚してしまう夫婦も多いのが事実です。

また不妊治療で排卵日に合わせて性交渉を行う方法をとっている場合、このタイミングで性行為をして射精しなければならないというプレッシャーから膣内射精障害になるばかりか、プレッシャーがEDの原因になることもあります。

プラスα

射精障害によって相手から射精の早さや遅さ、また満足できなかったことを指摘されたりすると、相手への負い目から相手への怒り、自分自身の罪悪感、孤立感などを感じ、さらには性行動に対する抑制や異性への距離感をもつことへとつながってしまう可能性があります。これらも自信の喪失に繋がったり、慢性化するとEDを発症する原因にもなります。

射精障害の原因

射精障害、つまり「早漏」と「膣内射精障害」の原因は大きく異なります。早漏と遅漏は一対、表と裏のような表現をされますが、早い症状の反対が遅い症状という同じ一つの要因ではありません。

早漏は自慰行為での慣れという身体の原因は存在しますが、ほとんどが心因性の射精障害で、脳の働きが大きく関係しています。男性の射精は腰椎にある「射精中枢」の働きによって行われます。射精中枢は性的な刺激を受け続けるとその刺激が蓄積されていきます。この刺激が一定量を超えると射精の信号を脳に送り射精します。

射精中枢を管理するのが交感神経です。早漏は脳が性的興奮を受けることで交感神経の働きが強くなり起こります。一方、遅漏は主に自慰行為、あるいはアダルト動画による日常において性行為以上の興奮に対する慣れ、あるいはパートナーとの関係といった生活習慣も原因となります。

自慰行為

早漏、遅漏ともに自慰行為の方法次第で発症してしまう事があります。何をもって自慰行為の方法が正しいか間違っているかという基準が存在するわけではありませんし、そもそも自慰行為は性行の為の練習という面もあり、間違ったことではありません。ただ、少なくとも早漏、遅漏になりやすい自慰行為の方法は存在します。

家庭環境や時間のなさから、自慰行為を早く済ませる習慣が身につくと、性行為の練習が自慰行為なのですから日頃の経験により条件反射が身についてしまい、性行為の際も早く射精してしまう傾向に陥ってしまいます。

また包茎であったり、亀頭を刺激せず自慰行為を行う方法に慣れてしまうと性行為の際、著しく亀頭が刺激されるため、早く射精してしまいます。対して包茎手術により「内板」と呼ばれる亀頭を包んでいる性感帯を切除することで感度が落ちると言われています。ただし包茎手術などで包茎を治療しても、それによって確実に早漏が治るというわけではありません。

射精障害の改善方法

射精障害は改善できます。多くの男性の悩みのひとつである射精障害、たくさんの改善方法についても研究が進められています。それぞれの症状や原因に合った方法があります。そのなかでも効果の高い 「病院でのカウンセリング」「サプリや治療薬を利用する方法」の2つについて解説します。

病院でカウンセリングする

カウンセリングは心因性の早漏を治療するのに有効な方法です。性行為に対するストレスや苦手意識、興奮しやすいこと、早漏に対するコンプレックスやプレッシャー自体が早漏を誘発している場合、心理学に基づいたカウンセリングを行うことで根治できる可能性があります。

カウンセリングは精神科、心療内科で行うことができますが、早漏に対する心理学のマニュアルが確立されているわけではないので、カウンセラーとの相性など、根治にはさまざまな条件が重なります。

おなじくカウンセリングでも、泌尿器科やメンズクリニックでカウンセリングを受けることもできますが、心理学やカウンセリングの資格などを有していない場合も多いです。

そのほか男性器自体への治療方法が提示されることもあり、薬剤の注入で感度を落とす方法や、包皮小帯切除手術、亀頭冠焼灼術、包茎治療といった手術で早漏を治す治療方法もあります。

サプリや治療薬を利用する

現在、早漏治療で世界的にスタンダードとなっているのが早漏防止薬を用いた内服療法です。2012年から厚生労働省で許可されている早漏防止薬もあり、一部の医療機関やクリニックで処方してもらうか、通販で購入することで入手し、治療することが可能です。

早漏防止薬が登場する以前の治療に共通するのは「時間がかかること」と「はっきりと治ると言い切れない」という2点です。

早漏防止薬に含まれるダポキセチンという有効成分には「交感神経から射精中枢への興奮の伝達を抑制し約3~5倍射精時間を延長できる」というはっきりした効果と、「服用後1時間ほどで効果が表れる」とい即効性があるので、早漏治療にはとても有効だという事がわかります。

【プリリジー】
この有効成分ダポキセチンを含む早漏防止薬がプリリジーです。プリリジーは世界60か国で認可され、世界で数百万人という服用実績があり安全が確立された薬であるため、決まった用法や容量を守れば危険もなく副作用も少ないといった安全な薬です。
また、初めて服用して効果がないと感じられても、服用回数を重ねるごとに射精時間が伸びていきます。これまでのうつ病治療薬と違い、早漏防止効果のみに特化した薬となっています。

【ED治療薬】
勃起不全の治療が早漏の根治につながるケースもあります。
この際、現在最も有効な手段がED治療薬です。ED治療薬と言っても3大ED治療薬と呼ばれるバイアグラから、2番目に認可されたレビトラ、3番目の認可ながら世界シェアNo.1を獲得するに至ったシアリス、3大ED治療薬に対し第4の治療薬として年々信頼を高めているステンドラ、またこれら先発薬のジェネリック医薬品まで含めると数多くのED治療薬が発売されています。
これらのED治療薬の服用で早漏が改善される場合があります。

【プリリジー+ED治療薬】
ED治療薬のなかでもレビトラには10mg以上の服用で早漏改善の副次的効果が認められており、プリリジーとの併用で早漏改善への相乗効果が期待できます。
このようにED治療薬と早漏防止薬は別個の医薬品ですが、新薬の特許が切れることで製造が許可されるジェネリック医薬品(後発薬)には「添加物が認められる」という特徴をいかし、ED治療薬に早漏防止薬成分を配合しダブル効果が期待できるジェネリック医薬品も発売されています。

【外用薬】
また対症療法として局部麻酔で感度を落とす方法があり、リドスプレーやキシロカインゼリーといったクリームタイプやスプレータイプなどの外用局所麻酔薬も販売されています。
これらは男性器の感覚自体を麻痺させて早漏を予防でき、服用タイプの治療薬以上に即時効果が期待できますが、パートナーが麻痺する可能性があるためコンドームの着用が必要であったり、感度があまり下がらない、または下がりすぎるといったことも起こります。

その他、早漏改善に射精防止成分配合などのEDサプリメントや媚薬の服用も場合により有効です。心因性早漏には効果が見込まれませんが、精力増強、ペニス増大サプリメント、ED改善などに効果があるものもあります。

参考サイト:
MSDマニュアル 男性の性機能障害の概要
MSDマニュアル 勃起障害(ED)
Wikipedia 射精障害

まとめ

射精障害とひとことで言ってもそれぞれにタイプがあり、タイプごとに改善方法は変わってきます。ご自分の症状に寄りそった治療を行うことで今後の性生活は充実し、それは同時にパートナーの性生活の向上と同じ意味を持っています。

早漏防止薬だけではなく、ED治療薬との併用やEDサプリメントの服用など、ご自分に合わせた治療方法を見つけることで、さらなる改善がみられれば、性生活の充実は日々の生活の自信へとつながっていくのです。

あとは自分にあった治療が何かを見比べ、選択し、実践することです。最適な方法をみつけだし、健康的な性生活への大いなる一歩を踏み出してください。